緊張して身体が固くなるということは多くの人が経験しているだろう。同じように、「がんばろう」とか「やったるで」と意気込む気持ちは、時として身体に余計な力が入ってしまう原因になる。本番を前にしたダンサーが、肩を上下して緊張をほぐそうとしているのを目にすることも多いだろう。
これは、敵と相対した時に身体を守ろうとする、あるいは相手を威圧するために大きく見せようとする、いわば動物的な反応によるものだ。
ここぞという時に限って失敗をするなんていうのは、こういった反応が強く出てしまうタイプなのかもしれない。
これは先天的に備わっている反応なので、その反応をコントロールすることは難しい。
だから、反応をコントロールすることよりも、そういう反応を起こさせる原因のことを考えたほうが良い。
どうして緊張するのか。
練習が足らなくて失敗の可能性が高いと感じている? 自分は良いがパートナーが失敗しそうだと思っている? 自分の演技が人に評価されないのではないかと感じている?
その原因はネガティブなことが多い。
どうして意気込みすぎてしまうのか。
誰かに認めさせてやろうと思っている? 誰かに負けまいと思っている?
原因となる思考はポジティブだけれども、攻撃的すぎる。
練習が足らないのならもっと練習すること。失敗も実力の内、現時点の実力を出し切ることに集中すること。人が下す評価はコントロール出来ないのだから、自分のできることをやるしかないと考えること。勝負は結果であって、自分がベストを尽くすことが最善であると考えること。などによって、緊張や意気込みすぎの原因をなくすようにすれば、緊張や意気込みすぎによって身体に変な力が入ってしまうことを防止できるはずである。
要するにメンタル・コントロールだ。
場数を多く踏んでいる人ほど、図太くなるのは周知の事実。ビギナーが怖さを知らず、意気込むこともないので良い結果を残すことはあるけれども、やはり、経験が何よりも重要でもある。
緊張や興奮もいい経験として、次に活かすために存分に味わっておくことも必要だろう。
「癖」「緊張」「意気込みすぎ」以外にも、身体に変な力が入ってしまう原因はある。それはまた次回。
<to be continued>
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