今回は筋肉の機能のうち、スピードについてです。
これはトレーニングによって後からどうにでもなると思いがちですが、才能として持って生まれた筋肉の性質という土台が大きく左右します。
スピードは筋の収縮する速さのことです。収縮が早ければ、それだけ素早く体を動かせるということです。
一般的に、ごく短い時間の小さな収縮で動く力を瞬発力、それより少し長めの時間で継続して大きく動く時の力をパワーなどと言いますが、どちらも筋力とスピードが合成された能力です。
ダンスや新体操では、短距離走の選手や体操選手のようなスピード能力は必要ないかもしれません。
ただ、筋が収縮するスピードは動き始め、動きの途中、動きの終わりに関わりがあります。
筋の収縮スピードが速い場合、キュッと動き始めてキュッと止まるというようなキレのある踊りも可能です。筋の収縮スピードが遅い場合、良く言えば柔らかい動き、悪く言うとのっそりというかデレッというか締まりのない動きになります。
筋収縮の速い人はゆっくりな動きも可能ですが、遅い人にキレを求めてもなかなか難しいようです。
多くのスポーツは動きを止めるところにあまり気を使う必要はありません。
それに比べてダンスや新体操などのアーティスティック系スポーツの場合は、動き始めよりも動きの終わりをきれいにスッと決めることの方が重要な場合が多いかもしれません。
その場合の筋肉の収縮は伸張性(エキセントリック)収縮になります。筋肉に力が入っている状態で筋肉が伸びていくという、運動神経的には難しい動きです。ただ、これは短縮性(コンセントリック)収縮に比べて強い力が出せるので、動き始めよりも筋力は必要ありません。
以上のことから、筋力が強いのに速く動けないよりも、筋力は程々でもスピードがあったほうがいいということになります。
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