今回は筋肉の機能のうち柔軟性の才能についてです。
実際に身体の柔軟性を見る時には、脚がどこまで開くかとか、肩がどのくらい回るかなどで判断するわけですが、それは筋がどこまで伸びるかということと関節自体の持つ可動域の両方が問題になります。
多くの普通の人の場合、筋の柔軟性による可動域は関節の可動域の範囲内にとどまります。
しかし、バレエを始めとするダンスやアーティスティック系スポーツでは、筋は関節可動域の限界まで伸ばされ、それ以上の柔軟性を求める場合は関節自体の可動域を広げる作業になります。それは、関節の才能の項で取り上げます。
筋の柔軟性を考えるために、筋が伸びるのを制限しているものは何なのかを考えてみましょう。
筋が伸びるということは、筋繊維細胞のひとつひとつが伸びるということですので、当然、細胞ひとつひとつが最大限に伸びた長さ以上には伸びません。無理に伸ばせば切れてしまいます。
筋が伸びる時には、同時に筋の中にある血管や神経線維なども伸ばされますが、無理に伸ばせばそれらを壊してしまいます。
筋には感覚受容器があって、筋やその他の組織が壊れたりしないように、無理な力が加わると反射を起こし、筋が伸びすぎて筋繊維や血管や神経線維などを壊してしまわないように収縮させます。柔軟体操をして痛い痛いと言っている状態ですね。
ここから分かるように、筋をもっと伸ばそうと思ったら、筋繊維細胞や、血管や神経線維の細胞を増やし長さを増す必要があるのです。ということは、筋と血管や神経細胞などの長さにもともと余裕のある長さがあるというのが才能ということになります。
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