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2021/03/24

才能って何? その13 性格について(自然体の研究) What's a talent ? vol.13



この映像の中でカロリー氏がコマネチさんに初めて会ったときのことを話しています。
コーチにとって素晴らしい才能との出会いは、理論を超えた”幸運”でしかありませんが、その才能を見逃さない才覚は磨いておきたいものです。
                                          

さて今回は性格についてです。
性格というのは、どんな感情や意思や行動様式の傾向があるかということです。
もちろん、人の性格というものの深淵についてここに書ききれるものではありませんし、ダンサーや新体操選手の才能としてどんな性格がいいのかなんて、誰に聞いても答えなんか出ないと思います。

一流のダンサー、アスリート、芸術家などの人間性を知ってみると、正直言って「変わってるなぁ」と思うような人も多いような気がします。いわゆる「とんがっている」とか「型破り」みたいなはっきり分かるものもありますが、普段は普通なのに、ふとした瞬間にものすごく利己的でストイックな性格が現れるなどというような場合もあります。
ただそれは、印象的な人のイメージが強く記憶に残っているだけで、変わっている人の割合は、一般的な数値と変わらないのかもしれません。よくよく考えてみれば、フレンドリーで優しい人や社交的な一流の人もたくさん思い浮かびます。
突飛な性格が一流になるための不可欠な才能でないことは確かなようです。

ひとつ言えるのは、現代では人の協力を得られないような人は、トップまでたどり着くのは難しいだろうということです。まったく新しい分野ならともかく、既存の分野では指導者やコーチ、トレーナー、施設管理者、スポンサーなど、多くの方の強力が必要不可欠だからです。
21世紀に入る頃あたりから、各界の若い優秀な人たちのインタビューの答えがとっても優等生的になりました。その人の性格の本質はさておき、それはまさに多くの人の協力を逃さないための方策なのです。いくら上辺を繕っても本質的な性格のせいでボロを出す人も多いですけどね。
そう考えると、多くの人が自ら手を差し伸べたくなるような人は、何をやるにしても有利であり、それは立派な才能だと言えるでしょう。

私の個人的な意見を言わせていただきますと、性格について最も重要だと思うのは、「その種目のことが心から好き」と言うことです。
ただ、その「好き」も、「ちょっとやってみたら他の人より上手だったから好きになった」とか、「親や先生にすごいね、上手だねとおだてられて好きになった」みたいな相対的受動的なものではなく、自分の心の中から湧き出る絶対的主体的な「好き」でなくてはなりません。
そういう「好き」を持っていると、好きだから負けても楽しめるし、諦めないし、辛くても頑張れるし、もっと上を目指せるのです。生半可な「好き」じゃ、そうはいきませんよね。いくら負けず嫌いでも、嫌いなことをやっていたのでは一流になる前に挫けます。
そう、昔からいう「好きこそものの上手」は本質を突いているんじゃないでしょうか。
問題は、それほど好きになれることに出会えるかどうかなんです・・・

出会いといえば、良い指導者との出会いも重要です。「良い」というのは、あらゆる面で優秀な指導者であることはもちろんですが、相性の良い指導者という意味も含みます。いくら実績のある優秀な指導者であっても、いわゆる「反りが合わない」のではお互いに不幸です。性格の不一致はお互いに潔く認めて、移籍するなどの方策を考えた方がいいと思います。

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