↑ロシアの文化的社会的環境が新体操王国を支えています。
前回までに書いてきたような本人の身体や心の才能は、いわば自分の中身の問題でしたが、今回は本人を取り巻く「環境」という、まさにGiftと言うにふさわしい、本人にはどうすることもできないことが多い外部の要素についてです。
まずは一番身近な家族という環境。
精神的に、経済的に、その他あらゆる面において家族が本人のやりたいことを後押しできる態勢にあるかどうか。それは、本人の将来に大きな影響をもたらすことは言うまでもありません。
たとえ家族にその態勢がなかったとしても、それを補う何か(親戚や指導者や社会の援助など)があったおかげで成功したという例もあります。しかし、本人にとっては、やはり家族の支援が一番大切でしょう。
次に、本人がいる地域の環境。
本人が持つ才能は素晴らしいものがあるけれども、その地域にそれをやる施設がない、それを見抜ける人がいない、それを指導できる人がいないなど、本人がその才能に気づくきっかけさえないことは多いのではないでしょうか。
ブラジルはいい例です。あの国のサッカーが強いのは、国中どこへ言ってもサッカーができる環境があるからで、逆にサッカー意外が強くなかったのは、サッカー意外をやる環境が乏しかったからです。
日本では学校体育や部活動や習い事が盛んで、いつでも様々な種目に触れられる環境ではあると思います。ただ、地域差や経済格差はまだまだ大きいと言えるでしょう。
そして社会環境。
先のブラジルの例では、かつては本当にサッカーしか強くなかったのですが、近年は他の種目でもメキメキ強くなったきました。それは国民の経済的水準が高くなってきたせいだと思われます。
どんな国のどんな種目を見ても、国民が経済的にゆとりのある国ほど優秀な人を多く輩出しています。
また、文化的、宗教的土壌も影響は大きいでしょう。イスラムの国々の中には、女性の活動自体が大きく制限されていることもあると聞きますので、そのような環境の中で優秀なバレリーナや新体操選手が出ることは望めません。
以上のこと以外にも、様々な外部環境が本人に影響を及ぼしていることでしょう。
本人の才能は大したことないのに、家族が本人のために湯水のようにお金を使って有名なカンパニーに入団できた、とか、有力者のコネで使ってもらえた、などという話はいくらでも耳に入ってきますね。
周囲のやっかみによって増幅された噂かもしれませんが、そういう話が出るということが、環境が本人に大きな影響をもたらしていることの証でもあるわけです。
この環境という才能。持っている人にとってはありがたいし、持たない人にとってはこれほど妬ましいものはないですね。
でも、逆境という環境もあるのです。人を妬む暇があったら努力しましょう。
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