↑ このブログDancer's plusでは、この双子ちゃんに注目しています。
ほぼ同じ遺伝子を持つ二人だけに、二人とも新体操のトップレベルで大活躍中です。
しかし、ほぼ同じ遺伝子なのに、なぜ出来る演技に違いが出るのか? なぜ成績に差が出るのか? 不思議です。
この二人は、”才能”や”Gift”というものが人の能力に与える影響はかなり大きいということと、授かった”才能”や”Gift”だけが人間を形作るのではないということを同時に証明してくれているのです。
前回まで14回に渡って才能というものについて考えてきました。
まだまだ書き足らないことはたくさんあります。それについては、今後もちょいちょい触れていきたいと思っています。
ともかく、一言で”才能”と言っても、細かく分類してみるとそれだけたくさんの要素があるということなんです。
才能の要素のすべてを持っている人なんかいません。
「才能って何? その1」から「その15」まで書いてきたこと、ひとつひとつに自分を当てはめて、これはOK、これはダメと自己分析するのはいいことだと思います。
ただし、一つずつの要素でいちいち一喜一憂しないこと。
才能の持ち方も人それぞれなんです。
才能の要素がすべてにおいて平均的にレベルが高いという人もいるでしょう。
多くの要素はそこそこなんだけれど、ある要素だけ飛び抜けてすごいという人もいるでしょうし、ほとんどいいのに、ある要素だけどうしようもなく残念なレベルという人もいるでしょう。
一人の人間の中身のことですから、一つずつの要素が独立してあるわけではなく、それぞれが関わり合って機能しています。
だから、「その1」で書いたように、すべての要素をまとめた総合力こそ問われるのです。
そう。人のことを才能が「ある」とか「ない」とか、そんなに簡単に言えるものではないんですね。ある要素が劣っているからって卑下することじゃないし、逆に持ってるからって安心できるものでもないということです。
最後に・・・
優秀な指導者は、ひとつひとつの要素をいちいち挙げなくても、子供の練習を見ていればある程度の才能は見抜けるものです。才能と経験と勉強によって培われた眼力ってやつです。
「才能って何? その13」でナディア・コマネチに出会ったときのカロリー氏の話を載せましたが、素晴らしい才能を持った子は、まさに輝いて見えるものです。また、最初は目立たなかった子なのに、しばらく練習を見るうちに、次第にその子の才能が輝く道筋が見えてくる場合もあります。指導者にとってそういう出会いは、心から喜ばしいものです。
ただし、才能を見抜けたからと言って、その子が期待通りに伸びていくとは限りません。確かに身体的才能はすごいけれども、その子の心から好きなことは他にあったとか、保護者が怠惰で情緒不安定で才能を磨く機会を与えられなかったなど、残念なケースは多々あります。
努力できる性格なのか、頑張れる生活基盤はあるか、などなど、その人の生い立ちや生き方や家族や社会まで全部ひっくるめて”Gift”なのかなぁと思うのです。
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